inverno

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 待つ人。 【米日←英】

 

そいつはいつも誰かを待っているようだった。

いや、別に待っていたりはしてなかったのかもしれないが。

でも俺には待っているようにしか見えなかった。

 

 

春、入学してすぐに俺は生徒会長に推奨され、特に断る理由も無かったので会長になった。その時からあいつは居た。晴れの日も、雨の日も、風の日も。どんな日であろうと決まってあそこの中庭のベンチにいつも座って本を読んでいて、俺はいつもその様子を生徒会室の窓から見ていた。

 

夏になっても状況は同じだった。綺麗な黒髪のあいつはやっぱりあのベンチに座って本を読んでいる.....のに対して俺もやっぱり仕事しながら窓からあいつを見ていた。   しかし俺には少し変化があった。あいつに色々聞きたくなった。あいつを知りたくなった。何をしててもあいつを思い出す。.......名も知らないヤツを。

 

秋になったが、実際に話しかけようと外に出ようとするのだが何故だか勇気が出ない。肝心な時に限ってこういうのがダメな俺は困っていた。その時に副生徒会長のフランシスが俺にあいつの名前を教えてくれた。                       「何々、アーサーどうしたんだ?難しい顔s....ってああ!!お兄さん分かったぞー!そうか....やっとお前自分のスコーンの不味さに気づいたか....!!!」        「何言ってんだ.....ってお前今なんて言った!!?俺のスコーンが不z」       「お兄さん暴力はんたーーい........で、なにを考えてたんだ?」         「....話逸らすなよ......ほら、あいつの名前が知りたくって....さ」          「おっ?おおおおおおおお???アーサーにも恋の(ry」             「ち、違ぇよばかぁ!!せ、生徒会長と、して、だな!!生徒の名前位覚えないと、で、えと、おお俺の為だからな!!!!」                     「あーはいはい可愛くねぇの....あいつは『本田 菊』だよ」

「本田ぁ?」

「そ。てかさぁ、お前あいつが好きなんだろ」                                   「kがkg、あvんがうい!!?」                       は!?俺が!!?本田に!!?恋!!!!!!???                

この時初めて俺は菊に恋してるのだとようやく気付いた。

そして冬。外は雪が降りそうな寒さなのに相変わらずあいつ...否、本田はいる。 俺の気持ちは日に日に増すばかりだったが、昨日も話しかけられなかった。(いい加減勇気を出せ、俺!!)                                「ところでさぁ.......っておい、聞いてるか!?」                 「んぁあ!!?」                               クソ。変な声出ちまったじゃねーかよ                       「変な声だすなあるあへん。」                         「俺の所為じゃねーーー!!」                         「アーサー君はまた話を聞いていなかったのかな。コルコル★」          「すまない....で、何の話をしてたんだ?」                    「ああ、それがたな明日、この学園に転入生が来るらしいんだ」          「ほぉー。どんな奴?」                            「さぁな。明日にならねぇと。俺も知らね。」                  「知らねぇのかよ」                              

 

俺はまだ知らなかった。本田の待ってる(と、思われる)奴がそいつだってことを。

「アルフレッド・F・ジョーンズなんだぞ!

         Hey you!ところで菊を知っているかい?」          

 

「菊?」                                   なんだこいつは。転入生として生徒会にあいさつしに来たのはいいが、いきなり「菊を知っているかい?」って。菊と言われればあいつしか思い浮かばないんだが。  「『本田 菊』のことか?」                         そう言ったのは俺ではなくフランシスだった。どうか本田ではありませんように....!「That's right!!そう!その菊さ!!」                    うーわー。本田だったよちくしょう。                      あのあとアルフレッドとかいう奴は本田のいる場所を教えてもらい、会いに行った。 ・

 

 

その日以来、本田はベンチに座っていることはなかった。

 

 

 

本田は待っていた奴に会えたのだろう。

考えてみたら俺と本田には何の接点もない。

話したこともない。目があったわけでもない。

ただ、俺が一方的に片思いしてただけだ。

だが本田が待っていた奴に会えたって俺のこの思いは変わらない。

 

だから

俺は

一生

あいつの

幸せを

願おうと

思う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ああなんだこの駄作

オチが家出しますた(汗